朱に交われば赤くなる3.5―Misaki Tsuyama―

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 早口でまくし立て、俺は冷蔵庫を開けた。  そして保冷剤を雑に一つ掴み取り、彼女の右手を引く。  そのまま白さんを立ち上がらせて、彼女の頭が自分の肩にも及ばないことを知った。  小柄だとは思っていたが、こうして近くで見ると女の子って本当にささやかだと思う。 「岬」  ドアに手を掛けたところで、背後から名前を呼ばれた。  ああ、まずい。すっかり玄のこと忘れてた。  振り返ると玄は既に制服を整えていて、何事もなかったかのようなイケメン、いっちょ上がり、だ。  白さんはどこか怯えたような色の瞳で、それを見ていた。  あの時、玄じゃなくて俺を見てて良かったと思う。はだけた状態のあいつを彼女が見たら、多分卒倒ものだ。  いいところを邪魔されて機嫌が悪いのか、玄は眉間に皺を刻んでいる。 「邪魔して悪かったって! じゃ、ごゆっくり!」  俺は一方的にそう宣言すると、今度こそ彼女の手を引いて保健室を後にした。
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