朱に交われば赤くなる3.5―Misaki Tsuyama―

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 高校に入ってからは同じクラスだということもあって、よくつるむようになった。  俺が一方的に押しかけたり遊びに連れ出したりするのが主だが、断るのが面倒なのか、大体付き合ってくれる。  そんな彼が毎日決まって飲んでいるのは、購買で売っているイチゴミルクだ。  放課後によく寄るカフェで頼むのも、ベリークリームラテ。  ピアスは一年の頃から今までずっと同じものをつけているし、リュックなんて中学の頃のやつをそのまま使っている。  意外と物を大切にするタイプなのか、と最初は失礼なことを思ったが、多分違う。  玄は気に入ったものが見つかれば、それだけを愛用し続けるタチなんだと思う。  だから、人間関係においてもきっと、そうなのだ。  唯一無二を見つけた時、彼はそこにしか目が向かなくなるのだと思う。  俺はふと自分の手に伝わる熱を思い出して、なるほどな、と苦笑した。 「だから学校はやめとけって言ってんのに……強情だわ」  こういうことになっちゃうでしょうが。  彼自身、まだ掴みきれていないのだろう。  実際、本当にそうなのかは分からないし、白黒つけるには早すぎる。  でも何より、あの時の彼の表情が物語っていた。  ――その子に触るな、と。
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