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口でそう対抗しながらも、ちゃっかり新しいティッシュで栓をするのがまた可笑しい。
必死に緩みそうになる頬を噛み締めて、俺は問うた。
「ごめんって。何でそうなったの?」
「え、えっと、とにかく相手のコートに返さなきゃと思って……」
言い訳を聞いてまた腹筋が崩壊した。どうやら彼女は運動がてんで駄目らしい。
「いや最高すぎるでしょ……天才?」
「津山くんっ!!」
「普通もうちょっと恥じらうよね、鼻血出たらさ……」
鼻栓をしたまま、きょっとーんとした顔でいられるなんて、ある意味図太いと思う。
白さんはクラスでも地味で目立たない方だし、おどおどしてる印象があった。
だけどこうして話してみると、だいぶイメージと違う。
女の子らしくか弱くて、庇護欲をそそる顔をするのかと思えば、ちょっとズボラで意外と物怖じしなくて。
笑いすぎて苦しい、と呟くと、聞かせるつもりはなかったのに彼女はしっかり不機嫌そうな顔をしていた。
そろそろ可哀想になってきたから、ちゃんと冷やしてあげることにする。
「ど、どうしたの?」
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