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一緒にお風呂に入り、何もなかったように振舞う私とユウト君。
そして時間も時間なので、ユウト君は帰ることに。
「今日のことは内緒だよ?」
「分かってます」
「じゃあバイ―ー」
「あの!」
私の「バイバイ」を遮るユウト君。
そのまま言葉を続ける。
「腹筋勝負……僕の勝ちです」
「え? 私やってないわ」
「不戦敗です。だから、僕の言うこと聞いてください」
「あんなことしてまだ何かあるの?」
「はい。これからも家に来ていいですか?」
「もちろんいいわよ。次はゴムもね」
「は、はい」
そう言うと恥ずかしそうに照れるユウト君。
「それじゃまたね」
「はい、お邪魔しました」
満面の笑みでそう言い、ユウト君は玄関から出て行った。
それから一年。
息子が高校三年生になろうとしていた頃。
ユウト君との関係は続いていた。
夫にもバレることもなく、もう何度したか分からない。
そして今、私のお腹には赤ちゃんがいる。
その赤ちゃんは夫の子か、ユウト君の子か。
最近、夫が帰って来たのでその時に出来た可能性もあるが、恐らく後者だろう。
つまり、私は息子の友達の赤ちゃんを産む。
息子は友達の赤ちゃんと兄弟になるわけだ。
そんなことは一生言えないだろう。
息子のカズキにも、産まれてくる赤ちゃんにも。
ユウト君には夫の子と言ってある。
彼にも人生がある。
今でも私のことを好きなようだが、いずれ離れて行くはずだ。
そうしてこの秘密は隠される。
私の墓場まで。
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