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筋トレは筋トレする人とその補助に分かれて行うことになり、一般的筋トレを二人でやっていた。
「そうだ! 筋肉も温まってきたことだし、腹筋勝負しませんか?」
「いいわね。おばさんをなめてたら負けるわよ」
「手は抜きませんよ」
胸の前で可愛く拳を握るユウト君。
本当に手を抜く気はないらしい。
正直言って勝てる気がしない。
男子高校生と四十代のおばさんだ。
勝敗は見えている。
まぁちょっとした遊びと思えばいいか。
「それで勝負ということは罰ゲームありでしょ?」
「もちろんです。負けた方は勝った方の言うことを聞くと言うのはどうですか?」
「いいけどお金関係はなしね!」
「分かってますよ。で、どちらからします?」
「先にお願いします」
「分かりました」
そう言うと、寝転び足を曲げるユウト君。
「胸が足に付いたら一回ということで、あの支えてもらっていいですか?」
「あ、うん。えっと……どんな感じに支えたらいいの?」
「僕の足首辺りにお尻を乗せてもらって、腕で僕のふくらはぎを抱え込むように持ってください」
「こ、こんな感じでいいかな?」
「は、はい」
言われた通りにやってみたが、かなり距離感が近い。
それに筋トレで火照った体が触れあってるからなんか凄い。
ただの腹筋だと言うのに、心臓が何度も大きく跳ねあがる。
―ー大丈夫、大丈夫。
私は自身にそう言い聞かせ、深呼吸をして口を開く。
「時間は三十秒で。スマホで三十秒設定したので、スタートと同時に僕のスマホのタイマーをスタートしてください」
「あ、うん」
そう言われ、スマホを渡される。
「じゃあ、始めるね」
「はい、お願いします」
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