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偽りの純愛
この恋の行く末は、思い出にするほかない。
思い出にしなければならない恋なのは、出逢った瞬間からわかっていた。
それでも、私はあなたに恋をした。
人々はこんな私を愚かだと、馬鹿だと笑うだろう。
何と思われようと、何と言われようと構わない。
「本当に愛してるのはお前だよ」
単純な私はその一言で満たされ、またあなたに会いに行く。
未来のない恋なんて、そんなものでしょう?
それでもいつか、いつの日か必ず思い出にするから。
だから、もう少しだけ傍に居させて。
まだ今は思い出にしたくない。
私の我儘を許して。
遠い未来、この恋が思い出に変わった時には言ってあげる。
「あなたは私が出逢った中で、一番最低なヒトだった」と。
そして、私にもこう言ってあげる。
「最低なヒトからの旅立ちおめでとう」と。
その時はきっと今よりずっと綺麗な涙を流せてるはず。
最低なあなたと、最低な私。
純愛というには傷つけ傷つき過ぎた、誰も幸せにはなれない恋だから。
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