エピローグ

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大学へ行き、終わったらアルバイトをして、そして時間があれば寝子池神社へ参拝がてら野良猫たちの様子を見に行く。 そんな日々が正樹のルーティンになっていた。 正樹の目の前で消えてしまった千草。 人間の姿がなくなったことで、千草は猫に戻ったのだと思った。猫の姿になっても、自分の前に現れてくれるものだと思っていた。 けれど猫の千草の姿はまったく見つけることができない。微かな希望を抱いて神社へ通う日々が続いている。 「まるで百度参りだな。」 自嘲するように薄く笑う。 ほんの半年ばかりのできごとなのに、正樹はずっと夢を見ているようなふわふわした気持ちでいる。 いっそのこと、夢なら覚めてくれればすっきりするのに。 今日も誰もいない、いや、野良猫たちが見守る中で鈴緒を勢いよく振る。 小気味良い乾いた音がガランガランと鳴り響いて、社の中を爽やかに抜けていった。
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