上書き

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「私、しないんで!」 私は今、結婚相談所に来ている。 ここは独自の方法で成婚率100%と言われている。 「雪奥 麗(ゆきおくれい)様、お待たせしました。どうぞお入り下さい」 ハッキリ言って、ここではフルネームで呼ばれたくないが仕方がない。返事をして部屋に入った。 「では、先日お伺いしましたご希望のデーターでマッチング致しましたお相手です。こちらのデーターをご覧になりまして、宜しければネクストステージに進ませて頂きます。ごゆっくりご検討ください」 コーディネーターはそう言って部屋を出て行った。 私は35才、明らかなブスでもデブでもなく、見方によっては美人だと思っている。なのに今まで結婚相手に恵まれなかったのは、運が悪かっただけ…。 「運も実力のうち」と言われるのは知っている。ならばその実力を見せてやろうじゃないかと、ここにやって来た。 私はお相手のデーターを確認している。 目は二重、鼻筋は通り、口は程々の大きさ、顔は小さめ、ハゲは嫌、歯並びは綺麗、体型は細身だけどガリガリは嫌、会社は1部上場、年収は800万以上で昇給見込みあり、23区内にマンションあり、車はドイツ車又は国産でもレカサス、性格はおとなしく…と約80の条件を出した。 「どれどれ…え~っと、名前は『清躾(きよつけ)廼斗(ないと) 綺麗な名字だ!ん?結婚すると 学校か?まっいっか」条件も満たしている。 さすが高い料金なだけある、他では私の条件に合う人を見つけた所は何処も無かった。決めた 私はベルを鳴らしコーディネーターを呼んだ。
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