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「では、雪奥麗様。次のステージに進むと言う事で宜しいですか?」
事務的に淡々と話を進めるコーディネーター真伽さんはロングヘアをセンターに分け黒のメタルフレームの眼鏡の奥から一重の指すような視線で私を見る。
全てをこの真伽さんに託す事を決めていた。最初に頂いた名刺を見た時に決めるしかなかった。名前が瀬那…マカセナだったから…。
「説明を始めます、先ずスマホの弊社のアプリ、マイページをお開き下さい。そこに清躾様のインフォメーションページがございます。雪奥様のリクエストの量から膨大なデーターにはなっておりますが、必ず最初の面談前に御一読下さい」
私はページを確認し細かな情報に驚いた。
趣味、食事、行き着けのみせ、服の好み、好きな仕草、言葉使い等様々な情報が入っている。
「ここまでは先程ご確認いただきました資料の詳細でございます。次のセカンドステージにお進みいただきますと、その情報から解析した清躾様が望む女性像がわかります。この女性像と雪奥様がマッチしたと言う事になります」
なるほど、私は近いかもしれないと見入っていた。
「ただぁーし!」
いきなり真伽さんは大きな声で私の視線を呼び起こした。
「理想のお相手と結ばれるのには、それなりの努力も必要です。無駄な努力にならぬ様、効率的にお互いの気持ちを深められるマニュアルを作成してございますので、そちらもご確認下さい」
はぁ、やはり至れり尽くせりだ。
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