龍を飼う

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 昔からそうだった。  気に喰わない奴は片っ端から喧嘩した。  何度も警察沙汰になった。  あの頃の地域課の人間は全員知り合いだ。  腕にまで伸びた尻尾に触れる。  こんなところにまで足が生えていただろうか。  背中の咀嚼音が消えた。  十八歳の時だった。このタトゥーを入れてもらったのは。  もう五年も一緒にいると、愛らしく思えてくる。  最近は恐怖すら感じることがある。  
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