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「も、もう……こんなサプライズ用意してたなんて」
「サプライズだけど、咲が追いかけてきてくれなかったら失敗だったから」
「そんな賭けだったのに!指輪まで買ってくれてたの?」
「指輪はもうずっと前から用意してた。タイミングをはかってただけだよ」
付き合ったはじめのほうにはもう咲との結婚は視野に入っていた。
もちろん指輪を買ったのは最近になってからだけど、本当は夜景の綺麗なレストランでとかめちゃくちゃ考えてたのに咲のせいで全部台無し。
「こんな隠し事……最高だよぉ」
「また泣く。この泣き虫め」
「これは嬉し泣きだよ。さっきまでどん底にいたのがバカみたい」
「もう二度と浮気なんてしたいって思わせないから。俺に一生ついてこいよ、これ命令」
「そんな嬉しい命令なら最高だよ」
ロマンの欠片もないプロポーズだったけど、咲が喜んでくれるならいいか。
「双葉、ありがとな」
「ううん、よかったよ。うまくいって」
あの日、浮気相手のフリを頼んだ双葉に「もし、咲がいやだっていってきたらプロポーズでもしたら?」なんてそそのかされたのがきっかけだった。
あんなこと言われなかったら思いつかなかったことだから、双葉にはマジで感謝してる。
「咲、幸せになろうな」
俺たちを見守ってくれたみんなのためにも、うーーーんっと幸せになるって決めた。ふたりで。
-Fin-
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