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「え……なんでヨリにもよって双葉?」
「他の誰よりもお前が傷つくと思って」
別に浮気相手なんて、会社の女でもよかったのに、双葉しか思いつかなかった。
諒と咲が浮気してるって聞いて俺は傷ついたから、咲も傷つくべきだって思った。
もしも気持ちが諒にいってしまっているなら、双葉くらいしか咲を傷つける方法はないって思ったから双葉に頼んだ。
「昨日あんなに楽しみにしてくれてたのに」
「本心を隠してたからね。どうしても咲を傷つけたかった。俺を傷つけた罰だから。今後どうしたいかは咲が決めて」
咲が傷ついてくれたなら俺はいいんだ。
歪んでるかもしれないけど、それで俺は満足だから。
「傷ついた!傷ついたよ!!!」
「そう、それはよかった」
「でも、臣のことをあたしが先に傷つけた。ごめん」
「うん、許してもえるとでも?」
「あたしは臣といたいから、許して貰えたら嬉しい」
困ったような顔をして、咲がこたえる。
「でも、これからも諒が近くにいるとか信用出来ねーよな」
「……っ、じゃあバイト変える!」
「ふーん。ついでに住む所も変えちゃえば?」
「え?実家なのに一人暮らしをすれってこと?お金貯めてるのに?」
不思議そうに首を傾げる咲。
「地元からでちゃえばいいじゃん」
「……え?」
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