1 手術は絶対に失敗しないんだ

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「清水先生、小林先生、今日は食堂ですか?」 そう訊いてきたのは、看護師の中村さん。彼女もやはり、僕の大切なチームの一員。とても優秀で、僕らの先回りをして動いてくれるので、医者からの信頼も厚い。 僕の手術は、彼女達なしでは成り立たないのは事実だ。しかし、この2人はさっき話した5人の中には入っていない。 「うん、今日は食堂でいいかな」 「私もそうしようかな」 僕の勤める病院の社員食堂は、管理栄養士さん達が工夫してヘルシーだけどがっつり食べられる料理が並ぶ。価格も400円とリーズナブルなため、昼時は満席になることも多いんだ。 今は14時過ぎだから、さすがにもう空いているだろう。 「今日の手術も大活躍だったね」 「うん、"プレシ"はいつも通り正確無比だったけれど、今日は"タック"が頑張っていたよね」 サラダうどんにかやくごはんセットを食べながら、小林先生と中村さんが僕に話しかけてきた。 「そうだね。今日は2人の動きが良かったから、"ボイス"の出番がなかったね。最後に"ヒア"がバイタルチェックしてくれるから安心だったけれど」
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