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"タック、次は神経を1番巻き込んでいるところだ。どうだ、どこから剥離していくべきだ?"
"ちょっと待て。おっ、ここだな、ここだ和平。ここはわずかに隙間があるぞ"
タックが術部を動き回りながら、あちこちと触り、最も癒着の少ないところを僕に教えてくれる。
タックは、体を直接触り、その性質を見抜くことができる。その為、癒着の強弱や異常組織と正常組織の境い目などを感じとる能力を持っている。見た目は短髪でしなやかな体躯を誇る男の子?だ。
「よし、ここから剥離して行くぞ」
"ボイス、ここから剥離していく。細胞達に出来るだけ避けろと伝えてくれ。組織の損傷を最小限にしたい"
"了解。みんな、今からこのあたりを切っていくから、両端に寄って。うん、そう、これで切り離されれば、昔みたいにもっと伸び伸び動けるようになるよ"
ボイスは細胞やホルモンと会話できる能力を持っている。そのため、切る時は損傷を最小限に防ぎ、治癒させる時は必要な材料を血管を通して運ばせたりしている。僕の患者は術後の痛みが少ないと言われるのは、彼女のお陰と言える。長い髪をワンレングスにして、大人っぽい雰囲気の女の子?だ。
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