告白

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告白

指導室に来るなり彼女は言った。「先生、私、父を殺してしまったかもしれません」その衝撃に言葉を失っている間に、彼女は“母はいつもそうなんです”と語り始めた。 「昨日、母と成績の事で喧嘩になって……あんまり煩いから無視して部屋に閉じ籠もっていたら、帰った父に酷く当たり散らしてて」その日の母親のヒステリーはいつに増して凄まじく、彼女の父親はただその罵倒に堪えていたようだが、朝には居なくなっていたという。 そして今日、ここに呼び出された。用向きを察していたのだろう、父親の遺体が発見されたと告げる前に自分の罪を告白したのだ。 「私が母にあんな態度をとらなければ、父は」優しくて気弱だったから何も言い返せず、遂には自ら死んでしまったのではと涙を零す彼女の背中を、そんな事ないよと擦る。あの男はその鬱憤を大学の後輩を呼び付け、暴力を振るって晴らす男だ。自殺などするものか。だから「そんな事ないよ、絶対にね」
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