それは誰の声?

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はぁはぁはぁ!!! 酷く五月蝿い声で目が覚める。頭を鈍器で殴られているような音がガンガンと鳴り響く。今にも割れるように痛い。最悪だ。あの時のことを夢に見るなんて…。俺はその時のこと一瞬たりとも忘れたことないのに。"ぼく"のことを忘れたことがないのに。 今日は何か良くないことが起きる気がする。あの夢を見たせいで"ぼく"が出てきている事がその前兆だ。はぁ。最近は出てきてなかったのに。久しぶりだからか、頭に響く声に吐き気を催す。はぁ。また、一段と大きな溜め息をついた。 あぁ。そろそろ時間か。まだ怠い体に鞭を打ってベッドから起きる。夢見が悪いせいか、いつもより目眩が酷い。 あ。そういえば、自己紹介してなかった。俺の名前は久我柚希。本名は華平院柚希。色々と訳があって、祖母の姓を名乗っている。一応、生徒会で会計をやらせてもらっている。こんな俺を会計に推薦した人の神経を疑うけど。まだまだ説明することがあるけど、もうそんなことがどうでもいいくらい"ぼく"が出てきているから割愛する。まぁいわゆる王道学園というやつだ。(分からない方はスター特典【登場人物】を見てね!) 男前みたいな話し方だけど、学校ではチャラ男で通している。でも、根は真面目な方だと自分では思ってる。まぁ色々とあってキャラをつくる羽目になったんだ。もう慣れたから良いけどさ。 はぁ。そろそろ副会長が来る時間か。一応設定上はチャラ男なので、副会長が迎えに来ないと仕事をサボるみたいな感じになっている。副会長は毎朝7時半ピッタリに迎えに来てくれるので、本当に申し訳ない。忙しい筈なのに、キャラを作ってるせいで副会長に迷惑を…。はぁ。憂鬱だ。 なんで、こんな俺が生きてるんだろう。 俺を必要としている人なんて居ないのに。 人に迷惑しかかけてないのに。 俺が全部悪いのに。 あの時、俺が死ねば良かったのに。 ____そうしたら、この声も聞こえずにすんだのに。
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