転校生くん

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転校生くん

「あ、そういや明日転校生が来るらしい」 「「「「「はぁ!?!?」」」」」 「柚希、明日迎え頼んだ。」 バ会長こと、黒崎大雅がそう告げる。 おい、ちょい待てや。何勝手に決めてんだ。ほんとにこのバ会長はさぁ…。みんなまだ放心してるじゃねぇかよ! 取り敢えずさぁ…これ俺行くの…?めんどいんだけど!!!絶対阻止しなきゃじゃん!! 柚希「ねぇーこれ俺行かなきゃだめぇ?」 「行きたくないなぁ〜って思ってるんだけどぉ?」 知弦「あっええーと、そんなに嫌なら私が行きましょうか?」 柚希「ほんとぉ?ちーちゃんありがとぉ!だいすき〜!」 満面の笑みでそう返す。 あれ?なんかちーちゃんの顔が心なしか赤いような…?それに、みんなの雰囲気が一気に変わった…?はぁ。やっぱり気持ち悪いよね。男子高校生のぶりっ子って。キャラだとしても気持ち悪すぎる。あーやるんじゃなかった。 柚希「顔赤いよ?」 知弦「そんなことは…。」 柚希「突発性の風邪?いや風邪は急に起きるもんね~」 そんな他愛のないことを話していたときだった。急にバ会長が大きな声で怒鳴り始めた。 大雅「おい!そろそろ仕事しろや。俺様は寝る。」 知弦「貴方もですよ?今日の分は終わったんですか?」 「「そーだよそーだよ!なんでたーくんだけ休むの?」」 ぷくーっと頬を膨らましながら、怒っている2人は生徒会庶務こと、絹宮奏音と絹宮奏叶である。この2人は一卵性の双子で瓜二つだから、見分けるのは大変らしい。まぁ生徒会役員は見分けられるけどね。あれ?思ったんだけど、一緒にいる時間の違いじゃね? 「ゆ……おな……す……た…。」 「お腹空いたのぉ?飴ちゃんあげるねぇ」 「あ……がと…。」 このカタコト言葉のわんちゃん……じゃなくてこの子は生徒会書記こと、犬飼涼太。なんか、昔色々あって話せなくなっちゃったんだって。俺らはりーちゃんのペースに合わせるから、ゆっくり聞いてあげるんだ。そうした方が、りーちゃんの為だからね。 あーでも、りーちゃん可愛い。あげた飴もぐもぐしてるの可愛い。耳と尻尾が見えるよ…。ぶんぶん振ってるよ…。あー可愛い。よしよししたくなっちゃうな。してもいいかな? 柚希「りーちゃんりーちゃん」 涼太「ゆ……ど……た…の…?」 柚希「なでなでしたいなぁって」 涼太「ん…」 柚希「りーちゃん優しいねぇ。ありがとぉ」 (よしよしぽんぽんなでなで) 大型犬みたいで可愛い…。りーちゃんは俺の癒しだ…。俺がりーちゃんに癒されていると、突然ちーちゃんが怒りだしちゃった。ありゃまー俺の癒しの時間が…。 知弦「柚希!早く仕事しなさい!」 涼太「みん……もし……な…。」 柚希「そーだそーだ!後ででもいいじゃん!」 プクーっと頬を膨らませる。皆もやってないのに先に俺がやってたらおかしいもんね。俺はチャラ男会計だから。 知弦「良いからやりなさい!」 「そこでぼーっとしている貴方達もですからね!」 「「「はーい」」」 そろそろちーちゃんの雷が落ちそうなので、仕事に取り掛かる。でもなぁ、今週の仕事もう終わってるんだよなぁ。やっぱし俺ってこう見えて真面目だからさ。やることないしどーしよ。あ、寝に行こ。"ぼく"もお話したいみたいだし。行くか。はぁ、と大きな溜め息をついて生徒会室を後にした。
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