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01:居眠りはだらしない?(前編)
「よかった、受かってる! まぁ、そりゃあそっか」
一人の少女は、数字が羅列された掲示板の前で胸をなで下ろす。
部活のために伸ばした長い髪がポニーテールに結われている、この少女の名前は小林麻里菜。中学三年生だ。
家から電車で一時間の高校に、単願で合格した。
ここは県内で数えるほどしかない女子校で、最低でも偏差値六十二はないと入れないレベルである。一番上のクラスは偏差値七十以上だ。
「中二の学年末テストの数学で四十九点取った人が、一年後、こんな学校に受かってるとはね」
と、母が無駄口を挟む。
麻里菜自身も、こんな頭の良い高校を受験するなんて、一年前は思ってもいなかった。
「……ホントのことだから反論できん」
麻里菜は肩をすくめた。
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