09:キュウビの過去(一人称視点)

1/10
前へ
/175ページ
次へ

09:キュウビの過去(一人称視点)

 ちょうど四年前、私が小六の時、妖力が覚醒した。その数日前から、突然おでこだけが熱を持ったり気分が悪くなったりして、覚醒する兆候はあったんだけど。  またおでこが熱くなって、今までにないくらいの熱さで……触ったらヌメってして。  髪の色が金色に変わってるし、鏡で見たら目の色が青っぽくなってるし、おでこには第三の目が現れていた。 「私は……『化け物』になっちゃったの……?」  最初は、そう思った。  そこに置いてあるペンダントあるでしょ? 雪の結晶の形をしたやつ。それが急に目の前に現れて、するっと首にかかった。そしたら頭の中にたくさん景色が浮かんで……忘れてた過去の記憶だった。  美晴ちゃん、その記憶を追体験できるけど、やってみる? ……うん、分かった。じゃあ私の手をにぎって。
/175ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加