09:キュウビの過去(一人称視点)

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「えっ、こんなところに赤ちゃんがいる! しかも二人も!」 「マジ!? きゃ、かわいい!」 「顔そっくりだよね。双子ちゃんかな?」 「うーん、捨てられたってこと? 周りにお母さんはいなさそうだし」 「どっかに届けた方がいいかな……警察?」  私は二人のお姉さんたちに抱きかかえられて、どこかに連れていかれた。 「親が誰なのか、まったく情報が出てこない……」 「これは児童養護施設行きかぁ……」  今度は大人たちが何人か来て、どこかに連れていかれる。 「これから二人が暮らすところだよー!」  私よりはお兄さん・お姉さんの人たちがたくさんいた。 「赤ちゃんだ!」 「先生、双子ですか?」  私の顔をのぞきこんでくる。 「そうみたいね。これからすぐにミルク飲ませなきゃだから、ちょっと向こうに行ってるね」 「えぇーっ」  私はお兄さん・お姉さんたちの輪から抜けた。それから、この人たちに囲まれて生活するようになった。大きくなってから分かったが、ここは『施設』というところらしい。  私は『まりな』と呼ばれるようになった。なぜかは知らん。何でこの名前なのかも知らん。
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