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「えっ、こんなところに赤ちゃんがいる! しかも二人も!」
「マジ!? きゃ、かわいい!」
「顔そっくりだよね。双子ちゃんかな?」
「うーん、捨てられたってこと? 周りにお母さんはいなさそうだし」
「どっかに届けた方がいいかな……警察?」
私は二人のお姉さんたちに抱きかかえられて、どこかに連れていかれた。
「親が誰なのか、まったく情報が出てこない……」
「これは児童養護施設行きかぁ……」
今度は大人たちが何人か来て、どこかに連れていかれる。
「これから二人が暮らすところだよー!」
私よりはお兄さん・お姉さんの人たちがたくさんいた。
「赤ちゃんだ!」
「先生、双子ですか?」
私の顔をのぞきこんでくる。
「そうみたいね。これからすぐにミルク飲ませなきゃだから、ちょっと向こうに行ってるね」
「えぇーっ」
私はお兄さん・お姉さんたちの輪から抜けた。それから、この人たちに囲まれて生活するようになった。大きくなってから分かったが、ここは『施設』というところらしい。
私は『まりな』と呼ばれるようになった。なぜかは知らん。何でこの名前なのかも知らん。
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