プロローグという名の自己紹介

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 中一の春休み、妖魔界では人間界をめぐって戦争が起きていた。  マイナーレは凄腕の弓使いで、妖力も魔力も最強クラスだが、仲間を全て失ってしまう。敵のボスの仲間も全員倒したから、最後は一対一の勝負になった。  妖魔界の戦争、エグすぎるって……。  マイナーレ自身は、十分の九の魂だけなので不完全体だった。そこで、『身体』と『十分の一の魂』を召喚して、最終進化体・キュウビへと変化した。  ……要は、私も戦争に駆り出されたわけだ。  でも、敵のボスを倒すために変化したのではなかった。  マイナーレは特別な力を使って、戦死した人々を蘇生させる上、敵をボスごと改心させたかったらしい。自分の命と引き換えに。 「いいの、私は。私を犠牲にしてでも、みんなに幸せになってほしいから……。」  そう言って、マイナーレ(わたし)は力つきて倒れた。  気づいた時には、私は自分の診療所のベッドにいた。  いや、何で生きてるんだ!?  どうやら、マイナーレ(わたし)の力で生き返った人々の思いが集まり、奇跡が起きたらしい。  敵を改心させて、戦死した人を生き返らせたマイナーレ(わたし)の力は、おまけに荒れ果てた土地までもとに戻してしまったという。  そんなこんなで、マイナーレはその後妖魔界の女王となり、私は人間界で暮らしている。  それからは妖魔界にも人間界にも平和が訪れ、私が人間界で妖力や魔力を持つ必要がなくなった。私はマイナーレに全ての妖力・魔力を預け、『人間』として生活している。
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