3回目の治療

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先程までの柔らかい声から急に尖った冷たい声に変わって若干狼狽えた… 医者として心配してくれてるのかと思い、午前中の話を柳川先生にしてみた。 「実は、知り合いの女性から『お見合いを断る為に恋人のフリをして欲しい』とお願いされたんです」 「…まさか、引き受けたんですか?」 「…はい。必死にお願いされたのもあるし、この前倒れた時に彼女には世話になったので、その恩返しがしたくて…」 前回の件以外にも、『朝間』について読者として意見をくれたりしていつも助けてもらぅているので、俺なりに彼女の力になりたいと思って、今回の話を引き受けた。 「あなたは優しい…でも、その優しさがあなた自身を苦しめるんですよ」 「…えっ?」 柔らかな微笑が真顔になって、いきなり向けられた鋭い視線に身体が竦む。 「立って」 指示された通り立ち上がると、身体を押されてベッドの傍まで来ると、そのまま押し倒された。 俺の身体に跨り、シャツのボタンを外されだした所で、俺は慌てて柳川先生を止める。 「先生何を…!」 「あなたは人助けのつもりでも、彼女はどうですかね?端正な顔立ちの男性を前に、その人は恋人のフリをするだけで大人しく帰してくれるでしょうか…」
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