最初の治療

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点滴の針を抜かれ、ベッドを支えに立ち上がろうとしたら、バランスを崩してよろけてしまい、看護師に抱き付く形で胸が右腕に押し付けられる形に… 胸の感触に治まったと思った気持ち悪さが再燃し、身体がカッと熱くなった。 「ううっ…はぁ、はぁ…」 「佐伯さん、大丈夫ですか?」 「ふー、ふー…」 ベッドの上で丸まり、口とお腹を押さえて気持ち悪さを無理矢理抑え込む。 柳川先生は俺の背中を摩り、看護師に何か指示を出している。 「佐伯さん…」 「すみません、もう大丈夫です…」 数分して気持ち悪さが引くと、上体を上げて柳川先生と目を合わせた。 先生に身体を支えてもらい、検査に向かった。 検査を終えて病室に戻ってゆっくりしていると、柳川先生が入って来た。 「お疲れ様でした。気分はいかがですか?」 「まぁ…いや、大丈夫じゃないです」 「佐伯さん…?」 「俺、本当はダメなんです…女性の裸とか性的な部分を見たり、接触するだけで気持ち悪くなって、吐いて倒れてしまって…」 「女性の方が苦手なんですか?」 「まあ、そうですね…苦手ってわけでは無いんですが、触るのがダメで…」
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