3回目の治療

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小刻みに震えて息の荒い俺に、おずおずと手を伸ばして頬に触れた。 荒ぶっていた気持ちが手の体温、感触に少しずつ落ち着いていく。 「…っ」 「申し訳ありません…患者であるあなたに対して酷い行為をしてしまいました…恐怖心を抱かせずに治療をするのは医師の役目なのに、あなたを怖がらせてしまった…」 悲痛な表情のまま撫で続けるのを見ているうちに、その表情から自分の行為を悔やんでいるのが読み取れた。 撫でる手を握り、柳川先生の目をジッと見つめる。 「だ、大丈夫です…もう落ち着きましたから…」 身体から震えは消え、心もざわつきもせず落ち着いている。 柳川先生は苦悶の表情を崩さず、怯えるような瞳で俺を見つめ返し、震える唇から言葉を発した。 「…本当は軽々しく彼氏の役をしようとするあなたに腹を立てたんです。ご自身の発作が完全に治ってないのに…もし何かあってからじゃ遅いのに、あなたは優しいから、断れずに引き受けられて…」 「すみません…」 柳川先生は医師として俺の体調を心配して、誰よりも分かってくれているのに… 俺は先生に何の相談もせずに、安請け合いしてしまった。 だが、今更約束を無かった事には出来ない…
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