3回目の治療

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ナースステーションの前を横切ると、女性看護師が2人だけでカルテのような資料を整理しながら会話をしていた。 普通なら素通りする所だが、耳に入ってきた内容から思わず2人の死角となる場所で立ち止まって聞き耳を立てた。 「ねぇ、聞いた?柳川先生の話?」 「柳川先生がどうしたの?」 柳川先生の話だけなら、何ともないのだろうが、そこに俺が絡んで来ると厄介な話になりそう… もし、治療中に俺の声が聞こえていたらと思うとヒヤヒヤする… 「この前、宇佐美さんが柳川先生に『ランチの美味しいお洒落なお店知りませんか?』って尋ねられたんだってー」 「へー。それって、彼女とのデートに良いお店が無いか聞いてるんじゃない?」 まだ柳川先生の話は続いているが、俺の治療中の話は出なさそうだったので、足音を立てずにその場を後にする… 彼女…この前の治療でサラッと彼女の事を話してたような… 彼女の為に事前に良い店を吟味するなんて、よっぽどその彼女を大事にしてるんだな…
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