昔話

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中学生になってビジールと仲が良くなり、スイにも紹介しようと話をつけた 「こちら、僕の友達になったビジール ビジール、僕の幼馴染のスイだよ」 僕が紹介するとビジールはぎこちなくお辞儀した 「こ、こんにちは ビジールです」 するとスイは無愛想な顔をしてこう言った 「……こんなのがいいの? 背ちっちゃ」 「ちょ、スイ! その言い草はひどいだろ!」 僕はビジールをその時守ろうと必死だった だって幼馴染以外初めてできた友達だったから 「男なのに背が低いなんて致命的ね 私より低いんじゃない?」 「スイ…!!」 「何?私よりそいつを守るの?」 「そういうわけじゃ…」 僕は俯いて考える どっちを守るべきなんだろう、これは 「ごめん、もういいよ 俺帰るから」 ビジールはそう言って帰ってしまった その日から、僕はスイに近寄らなくなってしまった
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