仕方ない

6/6
前へ
/79ページ
次へ
数日後。 相変わらず私はめんどくさがりな性格で母に怒られてばかり。 こういうときはいち早く変わろうとするのが合理的なんだろうけど、こんな私のことだからそれすらもめんどくさい。 本当、何から何まで逃げてばかりだ。 美華吏との勉強会はなぜかいつも真剣になれる。こんなこと今までなかったはずなのに。 美華吏は図形のことを大体わかってきてはいて、残すところ文章題だけとなっている。 最初は心配ばかりだったけれど、これなら期末テストがきても大丈夫であろう。 そんな中で起きたある出来事。 私はその日、移動教室をするために廊下を歩いていた。 するとこんな声が聞こえたのだ。 「あの子、むかつくよね」 「わかるわかる」 「やっちゃおうよ」 「えー、やめときなよって」 誰に対してむかついているのかはわからない。 けれど聞いていて居心地が悪くなり、私は逃げるように移動教室を済ませた。 少しだけ嫌な予感がした。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加