いけない

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「ひゃっほーい!大成功だね」 嬉しそうな口調でそう言って、陽果は七生とハイタッチをしようと両手を広げる。 「もう、無茶なんだから」 七生はそう苦笑いしながらもハイタッチをする。 そんな中でいまだに状況が、呑み込めずにいる私がいた。 「あの……これって……どういうこと?」 あまりの混乱で言葉がうまくでてこない。 裏切られている仲間はずしにされているとずっと思っていたのに。 今更、どうして私を助けたの? 「説明が遅れてたね。私達、佳奈達に命令されてそれで清加を避けてたの。本当にごめん!」 「私も本当ごめんね」 二人がそう言い、手をあわせて謝る。 命令ってどんな内容だったのだろうか。今の流れでいうと、たぶん佳奈達が私を仲間はずしにするように二人に命令したのだろう。 それならそれでいいと思う。私は長所を見つけられたし、幼なじみ以外の友達も作れた。だから今は感謝の言葉を返しておきたいところだ。 それに本当に悪いのは佳奈達の方だ。だから二人は悪くない。 「助けてくれて、本当のこと伝えてくれて、ありがとね」 私がそう言うと、二人の顔はぱっと明るくなった。 「もう、当たり前のことをしたまでよ」 七生は照れたようにそう言った。 「これからもよろしくね」 陽果はそう言って、握手とでも言うように、手を差し出してくれた。 私はこくりと頷いてからその手を取った。 その上に自然と七生の手が置かれる。 それから微笑を浮かべて同時に手を離した。
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