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「ねぇ、本当に思い出せれるの?」 「百パーセントとは限らないけどさ、清加ならきっと思い出せる」 迷いもなく美華吏は言う。きっと私がいくら不安を口にしたって、その自信を曲げようとはしてくれないだろう。 そもそも美華吏から直々に伝えてくれればいいのに。彼はどうして、まわりくどく言ってくるのだろうか。 「宇高君からは教えてはくれないの?」 「ああ。その時はまだ早い。それに自分の空白は自分で見つけるもの。そうだろ?」 わかってはいた。ここでいくら言っても美華吏は話してくれないと。 やっぱり美華吏は不思議な人だ。だけど、自分の空白になっている、記憶の最後の人欠片ぐらいは、自分で思い出さないといけないもの。確かにいつまでも人に頼っていては大人になれない。 私は頭にクエスチョンマークを浮かべながらも、掃除の終わりを告げるチャイムがなったので保健室をあとにした。
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