36人が本棚に入れています
本棚に追加
私の鞄と上履きと筆箱を盗まれた時は、授業中にもかかわらず、見つけ出して途方に暮れていた私のところに持ってきてくれた。そして慰めの意味でピアノであの子守唄を弾いてくれた。
懐かしさと安らぎを感じたのは、母が作ったからとそれを美華吏が弾いたからだと思う。
私が自殺をしようとしていた時には、私の長所を教えてくれて、灰色に染まっていた私を救いだしてくれた。
あのまま私が自殺していたとしたら、過去に優等生な自分がいたとは気づかなかっただろうな。
そして美華吏の正体についても、思い出せなかっただろう。
だからこれからは美華吏に感謝して、記憶喪失だった私をここまで育ててくれた母に恩を返していこう。
それが今の私にできる一番のことだと思うから。
最初のコメントを投稿しよう!