最終章 未来に向かって

2/3
前へ
/79ページ
次へ
「おはよー七生」 私から挨拶をすると、彼女は元気よく返してくれた。どうやら少しの不安はあるものの、受かっていると信じているらしい。 「結果、見に行こっか」 私がそう言うと、二人は私を挟んで並び、三人で結果を見に行く。母達はその後ろを楽しそうに喋りながら歩いていた。 私は唾をごくりと飲み、覚悟を決めた。 精一杯やってきたんだから、結果がどうであれ、後悔はしない。 体育館前に結果が貼り出された。私達はすぐに自分の番号を探す。 私の受験番号は九十一。さて、あるのだろうか。並べられている番号を目でおっていく。 「あった!」 自分の番号を見つけた途端、嬉しさのあまり思わずそう叫んでしまった。 「俺も」 「私もあったよ」 二人はそう言って吹っ切れたような笑顔を浮かべる。 すっかり不安は重みをなくしていた。今は受かれたことへの嬉しさと安心感に満ち溢れている。 「あっ!佳奈と陽果はどうかな?」 ふと思い出したように七生は言い、制服のポケットからスマホを取り出し、メッセージアプリを確認する。 「二人共に受かってるって!」 七生は吹っ切れた笑顔のままでそう言った。 私は安堵のため息をつく。 ここから始まる私達の高校生活。それぞれの夢に向かって私達は羽ばたいてゆく。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加