第一章 私は私が大嫌い

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「ちょっと清加。聞いてる?」 七生の問いかけに私は我に返る。 どうやら私は美華吏の様子を見ながらぼーっとしていたらしい。こんなことめったになかったはずなのに。 「あー美華吏ね。確かに人気者だよね。転校してきてまだ一週間ってのもあるけど。もしかして気になってる?」 陽果は興奮したような口調で言った。しかも目をキラキラと輝かせながら。 確かに昨日は不思議なことを私に言ってきたから気にはなっている。誰にもばれたことのなかった秘密だから理由を聞きたくて仕方ない。 「まあ…………ね」 私は曖昧に返事をした。 「へー、まさか恋?」 七生も興奮したような口調で聞いてくる。    そんな心、あるわけがない。そもそも私は恋愛未経験者だし。男子とか気にしたことなんて一度もない。もしそんな心が私の中にあったとしたら穴があれば今すぐにでも入りたい気分だ。 「そんなわけないよ」 私は苦笑い交じりにそう言った。 「だよね」 同時に二人はそう言って、予想通りとでも言うように首を縦に振った。 その時、朝のショートHRの始まりを告げるチャイムが鳴る。私達はそれぞれの席についた。
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