心の中の半分に、雨が降る

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わからないし、わかりたくない。自分が何に腹を立てているのかわからないから、よけいに気持ちがうずうずと騒ぐのだ。 周は小さくため息をついた。 「それで、遥ちゃんはどうしたの?」 ひかりママの問いかけに「データの集計が残ってるって、大学に行った」と答えた周の声は、やはり不機嫌なことを意識させるくらい、低かった。 「あら、じゃあやっぱり、無理して付き合ってくれたんじゃないの?」 とりなすようなひかりママの声も、周の耳には届いていないようだった。
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