心の中の半分に、雨が降る

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叔父の経営するバー「シノワ」で出会ってから、もうどれくらい経つだろうか。 周にとって遥輝は、誰よりも気の合う友だちになっていた。 高校時代から同じ部活で一緒だったというバーテンダーの喬史と、その親友だという遥輝は、大学の専攻も同じだったのだという。 今やこちらが本業になった喬史と大学院生の遥輝が、カウンターを挟んで楽しそうに話している姿はいつも穏やかで静かだけれど、なんとなく周の心を惹いた。 学生時代にラグビーをやっていた遥輝は、その大柄な体格に似合わず、とても神経が細やかで優しい。
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