心の中の半分に、雨が降る

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でもそれはなんとなく、他の人よりも自分だけに多く与えられている特権のように周は感じていた。 いや、たぶんそれは正しい。遥輝にとって自分は特別なのだと、その傲慢な感情は周の胸の片隅に芽生えて、いつしか間違いなくその心に根を張っていた。 少し甘えてわがままを言っても、お前はもうしようがないなと笑う遥輝に、だんだんと気持ちの(たが)が緩んでゆく。 周にとってそれはどことなく甘く、不思議な感情だった。ほんの少しだけ、いけない熱のような気もしていたけれど。
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