非業の別れ

1/2
前へ
/17ページ
次へ

非業の別れ

身を潜める鋭い言葉たち、 放たれることもなく。 血に塗れる新しい命さえ、 望まれたことはなく。 ここで静かにお眠り 石も積めぬ小さな手は、 僅かに震え、孤独な淵に。 日を掠める希望の産声。 何も見ることもなく。 魔が差した欲望の昨日さえ、 明日に咲く事を待ち。 ここはきっと不幸だから 傷も隠せぬ弱い手は、 抱くことさえも、出来ずに泣く。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加