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Another side-⑨
「…休戦は終わりだ、ユノ。決着をつけようか」
2人で一気に数十人の人間共を血祭りにあげた後、
俺とユノは上空で向かい合っていた。
「何度やっても同じだ、ジェイ」
あれだけの抹殺を繰り返しておきながら
息ひとつ乱れてないユノの凄さを
あらためて見せつけられた気がする。
「おまえの動きはちっとも変わっていない。
なのに、なぜ悪魔の世界から出ていくんだ?」
ユノはふっと視線をはずした。
「…違和感…かな」
「違和感?何の??」
「おまえにはわからないよ」
そう言われて、思わず頭に血が上る。
俺はその嫉妬にも似た怒りを
プラチナソードにめいっぱいこめて、
ユノの喉元目がけて突き出す。
ほんの数ミリの感覚でそれをユノにかわされ
瞬時に後ろに回られる。
「逃がすか!!」
間髪入れずににソードを振り回しても、
おまえはそれを軽くよけて、
ブラックソードを抜きもしない。
「ソードを抜けよ、ユノ!!!」
「今のおまえには必要ない」
「バカにするなっ!!」
「泣いてるおまえに俺は切れないよ」
え…??
泣いてる…???
思わず俺は自分の頬をさわった。
…涙?
なんで俺は泣いてるんだ…??
「…傷つけてすまない、ジェイ。
もう俺にかまうな。」
そんなに優しい目で俺を見るな、ユノ…!!!
一瞬ひるんだ瞬間、
ユノは気配を消した…。
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