Another side-⑩

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Another side-⑩

…雨が降っている。 雨雲の上を突き抜ければ、 真っ青な空が広がっているというのに そんな気になれないのは この天気のせいか…。 雨は… 匂いを消してくれる。 ジェイも俺を探し出せずにいるようだ。 今日のところは休戦だな、ジェイ…。 あの時 なんであいつは泣いてたんだろう? 俺が「おまえにはわからないよ」 と言った時… 冷静なジェイが 狂ったように剣を突き出してきた。 狙った的は決してはずさないあいつが ほんの数ミリほど ずれて剣を振り回すなど、 考えられない話だ。 ジェイ… こんな状況になっても やっぱりおまえを敵だとは 思えないんだ。 おまえを倒さなきゃ、 この戦いに終わりはこないんだと わかってはいても…。
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