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由野くんとあやさん⑤
とりあえず…寝かさなきゃ。
僕はあやさんを抱き上げて(か、軽い…)
部屋に入った。
ベッドは…やめて、
ソファの上にあやさんをそっと寝かせて
ブランケットを取りに寝室に行った。
ブランケットをかけようとして
僕はあやさんの頬に涙の後があるのに気がついた。
ごめんね、あやさん…
きっと僕が頼りないから
1人で悩みを抱えて
それでも言い訳しないで頑張って…
僕は手を伸ばして、あやさんの頬をそっと撫でた。
「う…ん… 由…野くん… 」
僕の名前をうっすらと呼ぶあやさんがいじらしくて
僕はふいに涙が出た。
もう…泣かないで、あやさん。
僕がもっとしっかりして
あやさんのこと支えるから…。
あやさんにはいつも笑っていて欲しいんだ…。
あやさんの前髪をそっと上げて
その額にゆっくりとキスを落とす。
すると
ふいに首にあやさんの手が巻きついた。
「わっ… 」
あやさんの胸に思いっきり
抱え込まれる形になって(あわわ…)
「由野くん…ごめんね…」
「あやさん…」
「茶見くんのことは、違うの。ホントよ。
私が好きなのは…」
言いかけたあやさんを
今度は僕がしっかりと抱きしめた。
「わかって…ます。僕がやきもちを
やいただけ…だから」
「良かった…」
僕の腕の中で泣き笑いの表情を
浮かべるあやさんは本当にかわいくて、
僕はその小さな唇にそっとキスをした。
「好き…好きよ、由野くん…」
「僕も…好きです、あやさん…」
「抱いて… 由野くん」
「え…」
…つ、ついに、この時が来った~~~!!!(感激)
あやさんと初めての…夜(どきどきどき…)
お、落ち着け、由野の由野!!!
(おいおい…)
飛び出しそうな心臓と由野の由野を抱えつつも
僕はあやさんのブラウスのボタンをはずすべく、
手をかけようとして…
…ん…?
…あれ…??
…あれれ…???
「…ZZZZZZZZ… 」
僕の首に手を回したまま
あやさんはすやすやと寝息を立てていた…。(泣)
そうだよな…
あやさんはお酒に潰れて、
ここに運ばれてきたわけで…(とほほ)
まあ…いっか…
今夜はこのまま
君を抱えて眠ることにするよ、あやさん…
ふんわりと花の香りのする、小さな君を
こうして腕の中に包むだけでも幸せだから(うふ)
な、由野の由野!!(落ち着け…)
こうして、僕とあやさんの
「初めての夜」は更けていくのであった…。
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