4人が本棚に入れています
本棚に追加
序章
僕はある出版社に勤める入社3年目の27歳・男子だ。
なぜ27歳なのに入社3年目なのかというと…
僕は大学院まで出ているから…で(照)
大学は文学部で、大学院まで進んだのは
辞書を作る人になりたかったから、だ。
子供の頃から文字のしくみや意味を知ることが大好きだった僕の愛読書は『広辞苑』
当然のごとく自分も辞書を作る人になるんだと
心に決めていたから、
大学の過程を終了後、迷うことなく大学院に進み、
そこで2年+研究職の1年を得て、
就職氷河期であったにもかかわらず
出版社にコネがあったゼミの教授のおかげで
大手の出版社にすんなりと就職が決まった。
しかもこの出版社は僕の大好きな辞書のひとつである
『新辞苑」を制作しているのだ…!!
いよいよ大好きな辞書制作に関われる…!!
正にバラ色の人生がスタートする…はずだった。
なのに…なのに、だ(泣)
僕が配属になったのは「エッグフラワー編集部」
雑誌・エッグフラワーは今も根強く残る
渋谷系女子高生の御用達カリスマ雑誌、だ。
(ちなみに僕は入社してからこの雑誌の存在を知った…。)
編集部は僕以外は全員女子。
当然上司も女子なわけで…。
「由野〜〜〜〜!!!原稿あがったかぁぁ〜!!」
地獄の低音ボイスで僕の名前を叫んでいるのは
僕の部署の上司・奈美さん
(デスク・40歳・花の独身)
「おらおら〜、奈美さんが呼んでるよ、由野〜」
そう言いながら毎回僕のお尻を掴むのは
ベテラン編集部員のセンパイ・咲江さん
(35歳・花の独身)
「由野っち、ファイティ〜ン」
口だけで励まして、
鏡でお肌のチェックに余念がないのは
同期入社の乃利香(25歳・もちろん独身)
「センパ〜イ、何か手伝いましょうかぁ〜?」
語尾の甘ったるい上がり方が気にはなるが、
見た目も態度も可愛い後輩・里奈
(22歳・彼氏あり・当然独身)
この4人に囲まれて仕事をすることに…!
これから僕が告白することは
僕と花の独身女子たちのあれやこれやで…
よかったら、ほんの少しでいいから…
僕の話を聞いてくれないかな…?(泣)
最初のコメントを投稿しよう!