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奮闘記①「きららちゃん！！」
僕は出版社に勤務する27歳のメガネ男子、だ。
あ…来月で28歳になるけれど…
（意外と大人なのだ）
僕の所属する部署は独身女子ばかりの
「オンナの園」…
そう…ここは渋谷系ギャル御用達雑誌
『エッグフラワー』編集部。
僕の仕事は（今は）校正担当なのだが…。
辞書制作を夢見る僕の手元にあるのは
『女子もコーフンする!今時のおすすめAV特集』
の記事。
え… AV…
えっと…その…アダルトビデオ…のことですよね？(照)
まったく見たことがない、と言えばウソになるが
僕はレンタル屋さんの奥にある、
あの温泉マークのようなのれんを
自らくぐったことはない…（激照）
きょ、興味がないわけでも…（なぜか、どもる）
「由野、咲江と一緒に取材に行ってきて」
禁煙パイポを男前にくわえた奈美さん
（40歳・デスク）が突然僕に言った。
「取材…ですか？」
「そ。AVの撮影現場」
「え… ええええええ～～～！！！」
「あれ～？？由野もやっぱ男子だよね～
コーフンしちゃってさ～」
咲江さん（35歳・センパイ）が
笑いながら僕の右尻をむんずと掴む。
「ひゃあ！！」
「うるさいよ、由野！！」
奈美さんに一喝されてしまう（とほほ…）
「とにかく！現場レポとAV女優の片桐きららちゃんのコメント、よろしく」
「はい」←返事する咲江さん。
片桐…きらら…ちゃん？？
奈美さんはにやっと笑うと
僕のおでこを人差し指でつんつんしながら
こう言った。
「気持ちはアゲアゲ、下半身は静めていくように。 以上！」
奈美さんの「下半身格言」がビシっと
決まったところで…。
僕は（あくまで）勉強のために
片桐きららちゃんについて知っておかねば…と思い
会社の帰りにレンタルの店に寄って
あの…麗しい「のれん」をくぐったわけで…。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
おおおおお…（驚愕）
え…ええええええ～～～～～！！！
こ、これは…いったい…どういうことだぁぁ～～～～
こ、こんなにかわいいコが、
あんなことやこんなこと…
あっ…い、いかん…由野の由野が（大ピンチ…）
「ああん…あんあん…いやあ…ん…あんん…」
すごいすごいすごいすごい～～～！！！！
僕が何よりもびっくりしたのは
こんなにアップになっているというのに
彼女の透明のガラスのような美しい肌…
それが、蒸気して、バラ色に染まり、
輝きを増して…。
どんだけ…気持ちいいのかなぁ…（うっとり）
…はっ！！！ぼ、僕は何を考えているんだぁ～～！！
かわいい顔に美しい肌の
片桐きららちゃんの切ない喘ぎ声が
いつまでも耳に残ってしまい…
その夜はとうとう一睡もできず（あああ…）
そんな衝撃体験をくらったまま
取材当日がやってきた…
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