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夜空に三日月が浮かび青白い光を村に落としている。
おみよの家にこっそり忍び寄るおたねと飛助。飛助が身軽な身体を活かしておみよの居場所を探り当てる。
「あっちじゃ」
「あい」
おみよは奥の部屋にて白い着物を纏い、顔にはべったりと白粉を塗られていた。
戸の隙間からこっそり盗み見たおたねは飛助にあるものをお願いし、おみよの家からそっと離れる。
飛助はそのお願いをすぐに実行して、おたねの所に戻ってくる。
「どうする気じゃ醜女?」
「まずは新一郎さんを呼ぼう」
「あいつは家に閉じ込められとるぞ。俺は動けんあいつの代わりに動いとるようなもんじゃ」
「そうか」
おたねは暫く考え込むが、大丈夫じゃ、と言って新一郎の元へ向かったのだった。
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