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「新一郎さん、大丈夫か?」
村長も新一郎の父もいない家の庭にある蔵に外から閂を掛けられて中に閉じ込められていたのは新一郎だった。
「飛助、それにおたね……。おみよは?」
「あのな、新一郎さん。おみよちゃんを助けるのに協力してください」
「協力なんて、よしてくれ! おみよのためなら俺は何だってやるさ」
それならとおたねが考えていることを新一郎と飛助に話す。
「なるほど、それで上手く行くんか? ハクロー様は許してくださるんか?」
「分からん。じゃが、おみよちゃんを救うにはこの方法しかないんよ」
「そうか。分かった。ではおたね、頼む」
「あい」
それから三人、目を合わせてしっかりと頷き合った。
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