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「野宮、僕は君の願いを守る。だからそっちの世界で会うのはしばらくお預けだ。天国で〈やりたいこと〉でも見つけて幸せに暮らすんだ。いいな?」  突然吹いた風が草木を震わせてざわざわ鳴った。  僕にはそれが野宮の返事のように聞こえた。  風に飛ばされた木の葉が舞い上がった。見上げた空には優しい光をにじませた月が僕を見下ろしていた。                                 〈終〉
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