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ゼウス様の告白
「おお、久しいな。息災か」
「はい、ゼウス様。おかげ様で!」
まあなんやかんやあるけどゼウス様は良い神様だよな。こうやって下っ端の僕にも気さくに声をかけてくれるところとかがやっぱりモテる秘訣なのかな。
「おい、お前。わしの内緒の話を教えてやろうか」
「内緒の話…でございますか?」
やっぱりもう出来上がってる…。展開早いなぁ…。
「ああ、そうじゃよ。内緒の話じゃ。」
うーん。別にどっちでもいいんだけどこれは聞いておかないとダメな流れでしょう。
「はい、ぜひともお伺いしたいです!」
「昔な、プロメテウスが火を盗んだとき、人間どもに全ての贈り物と称してわしから『パンドラ』を与えたろ?」
「はい、ゼウス様が火を盗んだ人間に対して送り込んだという罰ですね」
「そうじゃ。美しく作り上げたあれに持たせた甕に病、貧困、犯罪、悲嘆、ありとあらゆる災厄を詰め込んだんだがな、一つ、わしの災厄も入れたんじゃよ」
「ゼウス様の…災厄ですか?」
「うむ、これは誰にも話したことのない隠し事なんじゃがな、ヘラの洞察力はもうほんと卓越してたじゃろ?だからわしはヘラ以外の女神と逢引するときはいろんなものに変身して会いに行っていたのだ。しかしそれもばれて毎回こっぴどいめにあわされていたのじゃ…」
それはゼウス様の災厄と言うか身から出た錆では…?と言いたいけど言えない僕はとりあえず適当な相槌を打っていた。
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