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新たな災厄
親睦会の帰り道。突然共有された隠し事を誰かに言いたくなってしまった。でも誰にも言えないじゃないか!
あ、そうだ!誰か、に言うんじゃなくて何か、に言えば良いんじゃないか!
僕は草原に寄り道して、地面に穴を掘って、そこに話をささやいた。「ヘラ様の『エピルス』を盗んだのはゼウス様」と、心ゆくまで。そしてすっかり穴を覆った。ふう。これでスッキリした。
しかし、しばらくすると葦の濃い群生地が草原に出現して、「ヘラ様の『エピルス』を盗んだのはゼウス様」と言い出したではないか!それはすぐさまヘラ様の耳に入り、ヘラ様は激怒したらしい。ヘラ様は謝るゼウス様を追いかけ回したが、ゼウス様も慣れたもの。足音高く逃げて逃げて逃げ続けた。
ゼウス様のその足音は雷鳴となるため、その日の人間界ではかなりの場所で雷が多発し、なんと山火事などの災害まで起きてしまったと聞いた。パンドラの甕に入れられたさまざまな災厄が、まだこんな形で続くとは神々のはしくれである僕もびっくりしている。
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