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踊りの練習をして、店の手伝いをして倒れ込むように寝る。
数日してから一度国に戻っていたサファイアが帰って来たが、2人の女も連れての帰宅だった。
「アロと」
「メロにございます」
ピタリと揃って膝を曲げて挨拶をする2人は顔を見ただけでは見分けはつかない。
薄紫の目に白っぽい腰までの髪は肩甲骨辺りで一度リボンで結ばれていて、アロは赤いリボンに赤い耳飾り。メロは青いリボンに青の耳飾りというだけで、白い服も一緒だった。
「王から伺っているわ。でも、サファイアと同じ部屋でって聞いているけど……狭いわよね?」
マリアンが困ったように笑うと、
「問題ございません」
「私たちはサファイア様の世話係ですので、イス1つあれば十分です」
アロとメロは微笑んで前を向く。
イス1つ?
意味がわからず固まる僕たちを見て、サファイアがため息を吐きながらアロとメロを制した。
「大丈夫。ソファーベッドを運び込むから。この2人、たまに突拍子もないこと言うけどボケてるんじゃなくてマジだから……気にしないで」
「いや、それ気になるよね?」
呟くと、ルディは声を出して笑う。
サファイアもマジな顔して何言ってるんだよ。
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