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何度かぴょんぴょん飛んで何度も膝だの脛だのぶつけていたら、痛みで転がった。
……痛すぎる。ちょっと休憩。
何でこうすんなりいかないのかな?
体操座りをしてため息を吐く。勢い良く吹いてきた風を避けるように顔を背けると柵と柵の間に隙間があるのを見つけた。
僕は痛みの残る足を擦ってから立ち上がる。柵の間を抜けようとすると、学ランが引っかかった。
……もう、どうしてこうなるんだよ。
さすがにちょっとイラっとして……まぁ、もうどうでもいいし!思いっきり引っ張ったらボタンごと千切れた。
なぜか笑えてきて僕はそのまま柵を背にしてビルの端に立つ。
「母さん。ごめんね。これでもう母さんも自由だから……今までいっぱい迷惑……」
最後の言葉を言っていたらまた強い風が吹いて僕は足を踏み外した。
まぁ、いいけどさ。どうせ誰も聞いてないし。
でも、最期くらい……ちゃんと言って自分で飛び降りたかったよ。
僕は目を閉じて18年の人生を手放した。
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