ある日

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  昼と夜とが繰り返す 雨と風とが訪れて(たたず)む私を吹き(さら)す 強い太陽が訪れて佇む私をきつく照らす 冷たい風が訪れて佇む私を凍てつかせる 雨風に打たれ次第に低くなる瓦礫(がれき)たち 雨風に打たれ次第に丸みを帯びる廃墟たち 見渡す限りの荒涼とした荒れ地 あれからどのくらい経つのだろう 私の元を訪れる者はいない きっとこの瓦礫(がれき)を越えて来る者はいないのだろう 今、ここ立つのは私ひとりだけ 私を作ったお父様はどうしているのだろう 遠く離れたアトリエで今も元気に新しい命を生みだしているのだろうか  
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