5人が本棚に入れています
本棚に追加
君と初めて会ったのはいつだったか。
幼稚園の頃、僕が泣いていた君に声を掛けたのが最初だろうか。
それで、よく話すようになった。
君は弱虫で、すぐ怒って。
僕は君のそういう所が嫌いだ。
でも、君は誰よりも優しくて。
あの時泣いていたのは、幼稚園で飼っていたうさぎが死んじゃったから。
君は誰よりもうさぎと一緒にいて、誰よりもうさぎのことを可愛がっていた。
僕は生き物は苦手だから、君のように優しくなれない。
僕は君のことが好きだ。
でも、君は僕の隣の席の子が好きなのだろう?
あいつは、僕と違って優秀で、頭も良いし。
クラスの人気者で、顔が整っている。
それに比べて僕は、地味で、成績も良くない。
君があいつをいつも見ているのは知っていた。
君に似合うのはあいつだと思う。
僕の頭が良ければ。
僕がもう少し人気者だったら…
だから、君は友達だ。
──それで、いいんだ。
最初のコメントを投稿しよう!